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主要知財庁、主要機関の国際連携に係る取組に関する調査研究<PDF > 外国知的財産制度に関する調査研究報告 | 経済産業省 特許庁

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(1)

平成29年度

産業財産権制度各国比較調査研究等事業

(主要知財庁、

主要機関の国際連携に係る

取組に関する調査研究)

報告書

(2)

目次

1. 調査の背景・目的 ... 1

2. 各知財庁・機関のインターネット上の発信 ... 3

2.1. 米国特許商標局(USPTO) ... 3

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 3

(2) 国際連携の状況... 5

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 5

2.2. 欧州特許庁(EPO) ... 14

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 14

(2) 国際連携の状況... 14

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 15

2.3. 欧州連合知的財産庁(EUIPO) ... 27

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 27

(2) 国際連携の状況... 27

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 28

2.4. ドイツ特許商標庁(DPMA) ... 36

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 36

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 36

2.5. カナダ知的財産庁(CIPO) ... 44

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 44

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 44

2.6. オーストラリア知的所有権保護局(IP Australia) ... 50

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 50

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 50

2.7. 中国国家知的産権局(SIPO) ... 56

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 56

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 56

2.8. 中国商標局(CTMO) ... 90

(1) 調査項目に基づく調査結果 ... 90

2.9. 中国国家工商行政管理総局(SAIC) ... 95

(1) 調査項目に基づく調査結果 ... 95

2.10. 韓国特許庁(KIPO) ... 99

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 99

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 99

2.11. 台湾経済部智慧財産局(TIPO) ... 110

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 110

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 110

2.12. シンガポール知的財産庁(IPOS) ... 123

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 123

(2) 国際連携の状況... 123

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 124

2.13. タイ知的財産局(DIP)... 137

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 137

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 138

2.14. インドネシア知的財産総局(DGIP) ... 146

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 146

(2) 国際連携の状況... 146

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 147

(3)

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 151

(2) 国際連携の状況... 151

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 152

2.16. インド特許意匠商標総局(CGPDTM) ... 157

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 157

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 157

2.17. ロシア特許庁(ROSPATENT) ... 163

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 163

(2) 調査項目に基づく調査結果 ... 163

2.18. ブラジル産業財産庁(INPI) ... 171

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 171

(2) 国際連携の状況... 175

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 176

2.19. 湾岸協力会議特許庁(GCCPO) ... 188

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 188

(2) 国際連携の状況... 188

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 188

2.20. アフリカ広域知的財産機関(ARIPO) ... 191

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 191

(2) 国際連携の状況... 191

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 192

2.21. アフリカ知的財産機関(OAPI) ... 197

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景 ... 197

(2) 国際連携の状況... 197

(3) 調査項目に基づく調査結果 ... 198

2.22. 日本国特許庁(JPO) ... 204

(1) 調査項目に基づく調査結果 ... 204

3. 調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけに関する横断的分析 ... 215

3.1. ニュースリリース・プレスリリースにみられる五大特許庁間の関係性 ... 215

3.2. ニュースリリース・プレスリリースにみられる調査対象知財庁・機関の位置付け ... 218

4. まとめ ... 221

(4)

1

1.

調査の背景・目的

各国・地域の知財庁・機関は、様々な海外知財庁・機関と国際連携を進めており、そのような国

際的な取組は知財庁・機関ごとに異なっている。そして、このような状況において、日本国特許庁

(以下、JPO)が戦略的に海外知財庁・機関との連携を進めていくためには、海外知財庁・機関が

どのように国際連携を進めているか、特に海外知財庁・機関が日本国特許庁を国際連携先としてど

のような位置づけとしているかを把握することが非常に重要である。

このため各国・地域の知財庁・機関がインターネット上で発信する国際的な取組に関する情報を

収集し、その情報を分析することにより、海外知財庁・機関の国際連携の状況、特に海外知財庁・

機関における JPO の位置づけを把握し、これらを JPOの今後の国際的な取組に反映していくこと

を目的として、本調査を実施した。

本調査の調査対象海外知財庁・機関は以下のとおりである。以下の知財庁・機関に加えて必要に

乗じて世界知的所有権機関(WIPO)にも言及する。

(1) 米国特許商標庁(USPTO)

(2) 欧州特許庁(EPO)

(3) 欧州連合知的財産庁(EUIPO)

(4) ドイツ特許商標庁(DPMA)

(5) カナダ知的財産庁(CIPO)

(6) オーストラリア知的所有権保護局(IP Australia)

(7) 中国国家知識産権局(SIPO)

(8) 中国国家工商行政管理総局(SAIC)(中国商標局(CTMO)含む。)

(9) 韓国特許庁(KIPO)

(10)台湾経済部智慧財産局(TIPO)

(11) シンガポール知的財産庁(IPOS)

(12)タイ知的財産局(DIP)

(13)インドネシア知的財産総局(DGIP)

(14) マレーシア知的財産公社(MyIPO)

(15)インド特許意匠商標総局(CGPDTM)

(16) ロシア特許庁(ROSPATENT)

(17)ブラジル産業財産庁(INPI)

(18)湾岸協力理事会(GCC)1

(19)アフリカ広域知的財産機関(ARIPO)

(20)アフリカ知的財産機関(OAPI)

(21) 日本国特許庁(JPO)

以上の海外知財庁・機関のインターネット上での発信(年報や長の挨拶、ニュースリリース・プ

レスリリース等)をもとに、各海外知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置付けの比較お

よびその推移、マルチおよびバイの国際的な取組の内容、各海外知財庁・機関とJPOとの関係につ

いて分析を行った。なお、調査対象期間は2013年以降とした。

本調査の報告書の構成は次のとおりである。第2章では、各海外知財庁・機関のインターネット

情報の構成、国際的な取組に関する記事内容の傾向等をとりまとめた。第3章で我が国にとってと

りわけ重要度の高い五大特許庁(以下、五庁)、すなわち、日本(JPO)、米国(USPTO)、EU(EPO)、

中国(SIPO)、韓国(KIPO)の間の関係をニュースリリース・プレスリリースの情報から明らかに

し、その後、関係性の分析の射程を上記の 21 機関に拡大し、それぞれの海外知財庁・機関のニュ

ースリリース・プレスリリースにおける他の海外知財庁・機関の取り上げられる頻度を総括表とし

て整理した。もとよりインターネット情報のみをもって海外知財庁・機関間の関係を完全に把握す

ることは不可能であり、したがってこの分析は参考情報の域を超えるものではなく 2、各知財庁・

1 同理事会の知財機関は湾岸協力会議特許庁(GCCPO)であるため、調査・分析対象はGCCPOとした。

2 たとえば、本報告書の中で述べるとおり、そもそも途上国・新興国のみならずUSPTO、EPO、KIPOといった五庁を

(5)

2

(6)

3

2.

各知財庁・機関のインターネット上の発信

2.1.

米国特許商標局(

USPTO

 USPTO のインターネット上の発信は、①業績説明責任報告書(Performance and Accountability

Report)、②演説・証言(Speeches/Testimony)、③プレスリリース(Press Release)、④ブログ(A Blog from USPTO‘s Leadership)によって行われている。

 プレスリリースの記事件数をみると、EPO、KIPO、JPO、SIPOが多く、五庁参加国に関する記 事が多くなっている。特にEPOとKIPOに言及される記事数および両機関の記事中における登

場回数が多いが、調査対象期間中、両機関とCPCの協力を進めていたためと考えられる(KIPO

はEPO以外で初のCPCを導入した海外知財庁である)。

 USPTOとJPOのバイの取組のうち、実際に行われた会合について紹介した記事は、2017年11

月6日と2015年5月21日のプレスリリースであり、いずれも協働調査(CSP)に関するもの

である。対応する記事はJPO(経済産業省ウェブサイトを含む)ウェブサイトでも確認できた。

全体としてみると、記事数の差もあり、USPTOとの会合に関してJPOウェブサイトで公表され

ている記事に相当するものがUSPTOウェブサイトに掲載されていることは限られている。

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景

米国の特許や商標の権利付与を所管するのは商務省に属する米国特許商標庁(USPTO: U.S. Patent

& Trademark Office)である。USPTOの長官は政治任用であり、政権の交代とともに長官も交代する

のが常である。しかし、トランプ政権が 2017年1月に発足しても新長官が任命されないまま時間

が経過し、Michelle Lee氏がオバマ政権期から引き続き長官(商務省知財担当次官兼USPTO長官)

を務めていたが、6月7日、同氏は長官職を突然辞任し、後任としてJoseph Matal氏が指揮を執るこ

とが発表された3。その後、8月25日にトランプ政権は法律事務所のIrell & Manella LLPのマネージ ング・パートナーであったAndrei Iancu氏をUSPTO長官ポストに指名

4

、上院での公聴会と承認手続

きを経て、2018年2月より正式にUSPTO長官としての職務を開始した 5

オバマ政権期は特許の一次審査未着手件数の削減等のため、人員・予算を大幅に増大してきたが、

トランプ大統領が連邦政府職員採用の凍結を命じる大統領覚書に署名したため、採用凍結措置が長

期化した場合、業務に従事する職員の数が十分に確保できず、特許出願審査の長期化や審査時間の

短縮化といった質の低下などが危惧されている 6

トランプ政権で知財に関連する重要ポストに就いた人物と知財との関わりを見ると、以下のとお

りとなっている 7

 マイク・ペンス副大統領:インディアナ州知事や下院司法委員会委員を務めた際、特許重視 の立場をとっていた。米国発明法(AIA: America Invent Act)に賛成。

 Ken Blackwell政権移行チームの国内問題アドバイザー:特許権の強化を支持。行き過ぎた特

許改革に反対。

 Wibur Ross商務長官:知財の窃盗は容赦しないと発言し、知財権のエンフォースメント強化

を謳う。模倣品や営業秘密の流出に厳格に対処する方針を打ち出す。

トランプ大統領自身、国内外に多くの商標出願をしており、長男のDonald J. Trump Jr.氏は特許の

マネタイゼーションの会社を経営するなど、同氏および親族も知財に関係が深い。トランプ政権は

3 ジェトロ「Michelle K. Lee 氏、USPTO 長官を辞任」2017年6月8日、

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2017/20170608.pdf。

4 ジェトロ「トランプ大統領、Andrei Iancu 氏をUSPTO 長官に指名」2017年8月28日、

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2017/20170828.pdf。

5 USPTO, “ Andrei Iancu Begins Role as New Director of United States Patent and Trademark Office,” February 8,

2018,

https://www.uspto.gov/about-us/news-updates/andrei-iancu-begins-role-new-director-united-states-patent-and-trade mark.

6 特許庁『特許行政年次報告書2017年版』246頁。

7

(7)

4

強いアメリカを取り戻すために国内経済の発展が重要と主張するが、知財および知財制度がアメリ

カの成長に貢献してきたことから、米国の経済発展につながるような知財政策を推進すると目され

ている。

2017年知的財産執行共同戦略計画

2017年度から2019年度までを対象とした「2017年知的財産執行共同戦略計画」が2016年12月

に公表された 8

。計画では、①営業秘密不正取得および知的財産権侵害の経済的及び社会的影響に

対する危機感を米国全体で高める、②オンラインにおける知的財産侵害活動を取り締まることで安

全かつ確実なインターネット取引を振興する、③模倣品の流通を把握し、合法的な(正規品を使っ

た)商取引を支援する、④効果的な知的財産執行に向けて国内、国際協調を高める、とされる。

② スペシャル301条報告書

米国通商代表部(USTR)は2016年4月に2016年版の「スペシャル301条報告書」を公表した。

同レポートでは知的財産権保護が不十分な国や公正かつ公平な市場アクセスを認めない国を特定

され、警戒レベルが高い順に「優先国」、「優先監視国」、「監視国」の三段階が設定されている。優

先国に指定されると調査や相手国との協議が実施され、協議不調の場合は対抗措置として制裁の手

続きが進められる 9

。2016年報告書では優先国に指定された国はなく、次に警戒レベルが高い優先

監視国として、中国やインド、ロシア等11か国、監視国に23か国が指定されている。その後、2017

年8月、USTRは301条に基づき中国の知財問題の調査を開始したと発表した10。

③ 米国特許法改正

米国の特許制度は、先発明主義、限定的な出願公開制度、後願排除効の言語差別(ヒルマードク

トリン)等の特徴を持つ。2011年の米国発明法の成立により、先願主義への意向、ヒルマードクト

リンの撤廃、新たな行政上の特許取り消し手段(特許付与後レビュー)の導入等の大幅な改正が行

われた 11

USPTOの組織改革

2014年4月に特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)や共通特許分類、グローバ

ル・ドシエ構想等の国際的な特許協力業務を強化するため、特許局長参加に、国際特許協力室(OPIC:

Office of International Patent)が設置され、担当副局長が設置された

12

。また、2015年1月には、特

許品質施策を実行するため、特許品質担当副局長が新設され、Valencia Martin Wallace氏が任命され

た。

2014-2018年度の次期戦略計画

2014年3月、USPTOは2014年から2018年度を対象にした5か年戦略計画(FY2014-2018 Strategic Plan)を発表した

13

。計画では、パテントトロール対策の啓発活動関連、ワークシェアリングの増

大や審査処理能力の向上と特許審査に要する処理期間の最適化、適時性と高品質を提供するために

特許審判部を増強する方向性が示されている。また、グローバルな知財保護の面で、中国を明示的

に指定して、同国での知財保護執行を改善することとしている。

8

特許庁『特許行政年次報告書2017年版』257頁。

9 特許庁『特許行政年次報告書2017年版』247頁。

10

ジェトロ「米国通商代表、中国知的財産問題の調査を開始」2017年8月21日、

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2017/20170821.pdf。

11

特許庁『特許行政年次報告書2017年版』248頁。

12 特許庁『特許行政年次報告書2017年版』253頁。

13

(8)

5

(2) 国際連携の状況

① 主要国との連携状況

1) 日本

日本とはPPH、国際審査官協議等を通じてJPOとUSPTOは緊密な協力関係を構築している。2015

年7月1日からは、米国が受理した特許協力条約(PCT)国際出願の一部について、国際調査・国

際予備審査を日本が実施し、8月1日からは日米共同調査試行プログラムが開始されている。

日米欧三極特許庁会合、日米欧中韓五大特許庁会合といった多国間の枠組みでも、制度調和など

様々な分野で日米は連携をとっている。意匠分野でも、2016年2月に、JPOとUSPTOとの間で意

匠分類協力覚書を締結した。多国間枠組みでは、2015年より日米欧中韓の意匠五庁(ID5)が実施

されている。商標では2012年から日米欧中韓の商標五庁(TM5)の枠組みが創設された。

(3) 調査項目に基づく調査結果

① 「調査対象の知財庁・機関による発信情報を掲載したソースの調査」

USPTO のウェブサイトにおいて、情報発信は以下の方法によって実施されている。ニュース&

アップデーツ(News & Updates)の小項目として国際的な取組(International Initiatives)が設けられ

ているが、海外知財庁との取組でありながら同項目に含まれていない記事もあるため、本調査では

ニュース&アップデーツのうちプレスリリース(Press Release)と演説・証言(Speeches/Testimony)

を対象とした。また、中国のおける知財(IP in China)というページもあるが、Resources and documents

で見られる最新の情報は2014年9月10日公開の当時のUSPTO副長官の挨拶で演説・証言に移動

するため、本調査では独立した項目ではなく、プレスリリースまたは演説・証言の項目の中で取り

扱うこととする。

図表 1 英語ウェブサイトにおけるソース

①業績説明責任報告書(Performance

and Accountability Report)

1999年版まで年報(Annual Report)の名称であったが、2000年から業績説

明責任報告書に変更された。2017年11月15日現在、1993年から2016

年版までが閲覧できる。

②演説・証言(Speeches/Testimony) ニュース&アップデーツの一項目。2013年から2017年11月15日までで

国際的な取組について17件の記事。

③プレスリリース(Press Release) ニュース&アップデーツの一項目。2013年から2017年11月15日までで

国際的な取組について21件の記事。

④ブログ(A Blog from USPTO's

Leadership)

主にUSPTO長官によるブログ。2013年から2017年11月15日までで国

際的な取組について19件の記事。

② 「国際的な取組に関する情報(文章等)の調査」

1) 業績説明責任報告書

1999年版まで年報(Annual Report)の名称であったが、2000年から業績説明責任報告書に変更

された。2017年11月15日現在、1993年から2016年版までが閲覧できるが、本調査では2012年

版から2016年版の業績説明責任説明書を対象にした。

章 構 成 は 、 年 に よ っ て 若 干 異 な る も の の 、 主 に 、 ①Message、 ②Introduction、 ③Management’s Discussion and Analysis、④Performance Information、⑤Financial Section、⑥Other Informationよって

構成されている。国際的な取組については、「Strategic Goal 3: Provide Domestic and Global Leadership to Improve Intellectual Property Policy, Protection, and Enforcement Worldwide」の項目の中で扱われてい

る。同項目は2012年版と2013年版では、Management’s Discussion and Analysis章、2014年版は独

立した章、2015年版と2016年版ではPerformance Information章の中で触れられている。

また、業績説明責任報告書は、国名や知財庁名を章や節等の見出しにする構成となっていない。

2) 演説・証言

(9)

6

図表 2 国際交流に関する記事件数

英語

2013年 5

2014年 2

2015年 7

2016年 1

2017年(~11/15) 2

5年間合計 17

出所:USPTOウェブサイトより作成

図表 3 国際交流に関する記事件数

出所:USPTOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州:EPO

 北米:なし

 中南米:ブラジル、アルゼンチン  オセアニア:なし

 中東:なし

 アジア:日本、中国(SIPO)、韓国  アフリカ:なし

 国際機関・その他:WIPO

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、WIPO、五庁、日米欧三極である。

図表 4 記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 6861

最小文字数 1065

中央値 1432

出所:USPTOウェブサイトより作成

5

2

7

1

2

0 1 2 3 4 5 6 7 8

(10)

7

3) プレスリリース

2013年から2017年11月15日までで国際的な取組に関する記事は21件であった。

図表 5 国際交流に関する記事件数

年 記事件数

2013年 6

2014年 5

2015年 8

2016年 1

2017年(~11/15) 1

5年間合計 21

出所:USPTOウェブサイトより作成

図表 6 国際交流に関する記事件数

出所:USPTOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州:EPO

 北米:なし  中南米:ブラジル  オセアニア:なし  中東:イスラエル

 アジア:日本、中国(SIPO)、韓国、シンガポール、フィリピン  アフリカ:なし

 国際機関・その他:なし

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、WIPO、五庁、日米欧三極である。 6

5

8

1 1

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

(11)

8

図表 7 記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 3538

最小文字数 231

中央値 406

出所:USPTOウェブサイトより作成

4) ブログ

2013年から2017年11月15日までで国際的な取組に関する記事は19件であった。

図表 8 国際交流に関する記事件数

英語

2013年 5

2014年 3

2015年 4

2016年 6

2017年(~11/15) 1

5年間合計 19

出所:USPTOウェブサイトより作成

図表 9 国際交流に関する記事件数

出所:USPTOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州:EPO、EUIPO、英国

 北米:なし

 中南米:ブラジル、  オセアニア:なし  中東:なし

 アジア:日本、中国(SIPO、CTMO)  アフリカ:なし

 国際機関・その他:WIPO 5

3

4

6

1

0 1 2 3 4 5 6 7

(12)

9

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、WIPO、五庁、意匠五庁である。

図表 10 記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 1794

最小文字数 241

中央値 499

出所:USPTOウェブサイトにより作成

③ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの比較調査」

プレスリリースの記事件数をみると、EPO、KIPO、JPO、SIPOが多く、五庁参加国に関する記事

が多くなっている。特にEPOとKIPOに言及される記事数および両機関の記事中における登場回数が

多いが、調査対象期間中、両機関とCPCの協力を進めていたためと考えられる(KIPOはEPO以外で

初のCPCを導入した海外知財庁) 14

。KIPOとのCPC協力に関する記事の中で、CPCがEPOとの取組

であると紹介されるため、EPOが登場する記事数および登場回数が増加する結果となっている。

図表 11 二国間(バイ)に関する情報における海外知財庁・機関等名が登場する記事件数(プレス

リリース) 2017年

(~11/15)

2016年 2015年 2014年 2013年 5年間合計

EPO 0 1 2 4 4 11

欧州(EUIPO、OHIM) 0 0 0 0 0 0

ドイツ(DPMA) 0 0 0 0 0 0

カナダ(CIPO) 0 0 0 0 0 0

オーストラリア(IP

Australia) 0 0 0 0 0 0

韓国(KIPO) 1 0 4 3 3 11

台湾(TIPO) 0 0 0 0 0 0

ロシア(ROSPATENT) 0 0 0 0 0 0

シンガポール(IPOS) 0 0 1 0 0 1

タイ(DIP) 0 0 0 0 0 0

インドネシア(DGIP) 0 0 0 0 0 0

マレーシア(MyIPO) 0 0 0 0 0 0

インド(CGPDTM) 0 0 0 0 0 0

中国(SIPO) 0 0 3 2 2 7

ブラジル(INPI) 0 0 1 0 0 1

GCC 0 0 0 0 0 0

アフリカ(OAPI) 0 0 0 0 0 0

アフリカ(ARIPO) 0 0 0 0 0 0

JPO(日本) 1 0 5 1 2 9

WIPO 0 0 0 0 0 0

その他合計 0 0 1 0 0 1

出所:USPTOウェブサイトにより作成

④ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの推移調査」

プレスリリースにおいて、2013年から2017年の5年間に毎年記事で取り上げられている海外知

財庁はない。5年中4年の記事で取り上げられているのは、EPO、KIPO、JPOであり、3年はSIPO

である。

14 USPTO, “ USPTO and KIPO Announce Launch of Cooperative Patent Classification System Pilot,” June 5, 2013,

(13)

10

図表 12二国間(バイ)に関する情報における海外知財庁・機関等名が登場する記事件数(プレスリ

リース)

出所:USPTOウェブサイトにより作成

⑤ 「国際的な取組に関する情報(写真等)からの上記③,④の位置づけの調査」

USPTOの記事では基本的に写真の掲載はなく、国際的な取組に関して写真が掲載されていたのは、

2017年6月13日のブログのみである 15

。記事は同年5月にEPO主催でスペインのバルセロナで開

催された商標五庁(TM5)の会合に関するもので、五庁代表の集合写真が掲載されている。USPTO

からの参加者は商標局長(Commissioner for Trademarks)のMary Denison氏である。並び順は、Denison

氏を中心に、中国と韓国の代表が並び、両脇がEPOおよびJPOとなっている。Denison氏が女性であ

り優先された等の理由が推測されるが、並び順の根拠は判断できない。

業績説明責任報告書の国際的な取組に関する該当ページには写真が掲載されている。

 2012 年版:USPTOのDavid Kappos長官とEPO長官によるCPC声明の署名時の写真、および

USPTO政策対外問題副局長(Deputy Administrator for Policy and External Affairs)とSIPO副長

官との会合時の写真 16

 2013年版:海外知財庁との写真は、Teresa Stanek Rea次官代理(Deputy Under Secretary)とメ キシコ産業財産庁との集合写真

17

。その他研修風景 18

やTeresa Stanek Rea氏と中国国家版権局

および全国人民代表大会の使節との集合写真 19

 2014年版:Michelle K. Lee副局長(Deputy Director)と中国商務省および中国知財庁職員の訪

15 USPTO, “ Update on Global Trademark Harmonization,” June 13, 2017,

https://www.uspto.gov/blog/director/?page=1.

16 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2012, pp.43-44,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports.

17 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2013, p.46,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports.

18 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2013, p.40,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports.

19 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2013, p.44,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports. 0

2 4 6 8 10 12

EPO KIPO IPOS SIPO INPI JPO その他

(14)

11 問 を 受 け 入 れ て い る 写 真

20

。 米 中 通 商 貿 易 合 同 委 員 会 知 財 作 業 部 会 (US–China Joint Commission on Commerce and Trade IP Working Group)会合の一コマの写真とされる。

 2015年版:海外知財庁との写真なし

 2016年版:意匠五庁フォーラム開会時で話すMichelle K. Lee長官の写真21。フォーラムに意 匠五庁の各国代表も同席したとされるが、写真に写っているのはLee長官を含むUSPTO職員

であり、他の海外知財庁の出席者は写っていない。

⑥ 「国際的な取組(マルチ)に関する情報に関する調査」

2017年のプレスリリースでは、国際的な取組に関する記事は1件のみであったため、マルチの取

組に関する記事はなかったが、他の年のマルチの取組については、五庁および商標五庁に関する記

事が最も多い。

図表 13 プレスリリースにおける国際的な取組(マルチ)に関する記事件数

WIPO IP5/TM5

(日米EU

中韓)

ID5 三極

(日欧米)

2013年 0 2 0 1

2014年 1 2 0 1

2015年 1 1 1 0

2016年 0 0 0 0

2017年(~11/15) 0 0 0 0

5年間合計 2 5 1 2

出所:USPTOウェブサイトより作成

図表 14 プレスリリースにおける国際的な取組(マルチ)に関する記事件数

出所:USPTOウェブサイトより作成

20 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2014, p.72,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports.

21 USPTO, Performance and Accountability Report fiscal year 2016, p.93,

https://www.uspto.gov/about-us/performance-and-planning/uspto-annual-reports. 0

1 2 3 4 5 6

WIPO IP5/TM5

(日米EU中韓)

ID5 三極

(日欧米)

(15)

12

⑦ 「国際的な取組(バイ)に関する情報に関する比較調査」

1) 国際的な取組(バイ)に関する情報

プレスリリースにおける国際連携の内容を見ると、協働特許分類(CPC)をEPOと進めていたこ

とを反映して、CPCに関する記事が多くなっている。

図表 15 プレスリリースにおける年別の国際連携の形態(記事数)

MOU/MOC PPH 協働調査

(CSP)

協働特許 分類 (CPC)

グローバ ル・ドシエ

特許協力 条約 (PCT)

その他

2013年 0 1 0 2 1 0 1

2014年 0 0 0 2 2 0 2

2015年 4 1 2 1 0 2 2

2016年 0 0 0 1 0 0 0

2017年(~11/15) 1 0 1 0 0 0 0

5年間合計 6 2 4 6 3 2 5

注)一記事に複数の項目が含まれていることがあるため、合計数は記事数と一致しない

出所:USPTOウェブサイトより作成

図表 16 プレスリリースにおける年別の国際連携の形態(記事数)

注)一記事に複数の項目が含まれていることがあるため、合計数は記事数と一致しない

出所:USPTOウェブサイトより作成

2) 日本との取組について

USPTO と JPO のバイの取組のうち、実際に行われた会合について紹介した記事は、2017 年 11

月6日と2015年5月21日のプレスリリースであり、いずれも協働調査(CSP)に関するものであ

る(英語ソースのみ、五庁や商標五庁等のマルチの会合は含めない)。

2017年11月6日のプレスリリースは、WIPO総会に並行して行われた会合で、2017年11月1日

より新しい運用で日米協働調査の試行を再開することにJPOと合意した記事である 22

。JPOのウェブ

サイトでもUSPTOとの会合については紹介され 23

、同記事にリンク付けされている経済産業省のウ

ェブサイトで協働調査の合意に関する記事が掲載されている。

22 USPTO, “ Cooperation for an Expanded Collaborative Search Pilot with the JPO and KIPO,” November 6, 2017,

https://www.uspto.gov/about-us/news-updates/cooperation-expanded-collaborative-search-pilot-jpo-and-kipo.

23 JPO, “ JPO had Bilateral Meetings alongside WIPO Assemblies,” October 11, 2017,

http://www.jpo.go.jp/shoukai_e/soshiki_e/photo_gallery2017101101.htm. 0

2 4 6 8

(16)

13

2015年5月21日のプレスリリースは、中国の蘇州で開催された五庁会合に並行した行われた会

合で、日米両国でCSPプログラムを開始することに合意したMOCに署名したという記事である 24。 JPO側も2015年5月25日の五庁会合に関する記事の中で、UPSTOと会合し、特許制度のハーモナ

イゼーションや審査協力について意見交換を行ったと述べている25。

USPTOウェブサイトに掲載されているJPOとの二者間会合に関する記事は2件で、いずれにつ

いてもJPOウェブサイトでそれらに相当する記事が掲載されていた。全体としてみると、記事数の

差もあり、USPTO との会合に関して JPO ウェブサイトで公表されている記事に相当するものが

USPTOウェブサイトに掲載されていることは限られている。

図表 17 JPOUSPTO記事の対応関係(年報を除く)

日付 JPO USPTO

2015/1/14 JPO Commissioner Visited the United States Patent and Trademark Office (USPTO) to Exchange Opinions

該当なし

2015/3/6 Trilateral Heads of Offices Meeting was Held 該当なし

2015/3/25 Meeting of IP5 Deputy Heads of Office was Held

該当なし

2015/5/27 IP5 Heads of Office meeting was held in Suzhou, P.R. China.

(5/21)USPTO and JPO Sign Memorandum

of Cooperation for Collaborative Search Pilot

2015/6/15 USPTO Deputy Commissioners Visited JPO for Exchanging Views

該当なし

2015/6/19 Ceremonial Symposium on Accession to the Geneva Act Held

該当なし

2016/12/13 USPTO Chief Administrative Patent Judge Ruschke Visited JPO

該当なし

2017/6/20 Exchanged Opinions with the Patent Trial and Appeal Board of the United States Patent and Trademark Office

該当なし

2017/9/27 JPO Commissioner Attended the Meeting with Attendees involved IP in the U.S.

該当なし

2017/10/11 JPO had Bilateral Meetings alongside WIPO Assemblies

(11/6 )Cooperation for an Expanded

Collaborative Search Pilot with the JPO and KIPO

出所:両知財庁ウェブサイトより作成

⑧ 「対内的な発信情報と対外的な発信情報の比較調査」

いずれのソースも英語のみのページであるため割愛。

24 USPTO, “ USPTO and JPO Sign Memorandum of Cooperation for Collaborative Search Pilot,” May 21, 2015,

https://www.uspto.gov/about-us/news-updates/uspto-and-jpo-sign-memorandum-cooperation-collaborative-search-pi lot.

25 JPO” IP5 Heads of Office meeting was held in Suzhou, P.R. China,” May 25, 2015,

(17)

14

2.2.

欧州特許庁(

EPO

 EPOのインターネット上の発信は、①年報(Annual Reports)、②ブログ(President’s blog)、③ プレスリリース(Press Release)、④ニュース(News)によって行われている。

 中国(SIPO)との取組を紹介する記事が多い。EPOとSIPOは毎年会合を重ねており、いずれ かのソースで会合の内容が毎年紹介されている。また、2015 年は、1985 年に両知財庁が協力

を開始してから30周年の節目に当たったことも記事数が伸びた一因と考えらえる。

 共通特許分類(CPC)を進めていたことから、米国(USPTO)との取組を紹介した記事がSIPO に次いで多くなっているほか、近年のバリデーション合意を反映して、カンボジア、モルドバ、

モロッコ、チュニジアの知財庁との取組を扱った記事も多く見られる。

 EPOとJPOのバイの取組のうち、実際に行われた会合について紹介した記事は、調査対象期間 中1件であった。JPO側に掲載されている、2017年5月16日のEU技術審判部(Boards of Appeal)

との会合 、2017年のWIPO総会でEPOと会合をもった 等に相当する記事はEPOウェブサイ

トには掲載されていなかった。

(1) 政策動向や情報発信方針に影響しうる背景

欧州特許庁(EPO: European Patent Office)は、欧州特許条約によって設立された特許を所管する

国際組織である。2018年3月12日現在、38の国が加盟している 26

欧州内の複数の国で特許を取得するには、各国の知的財産庁に対して特許出願を行うほか、欧州

特許条約(EPC)に基づく出願を行うことが可能であり、EPOにおいて出願および審査を一元的に

行うことができる 27

。EPCに基づく出願であれば、英語、ドイツ語、フランス語による手続きが可

能であるが、各国で特許権を有効にするには、特許請求範囲と明細書を各国の言語に翻訳する必要

がある。また、特許権行使に際しては、各国で訴訟を提起する必要がある。

こうした翻訳費用や訴訟費用といった出願人が負担しなければならない費用の削減を目的に、 2012年12月、欧州単一効特許(以下、単一特許)を創設する規則が採択され、翌2013年の2月に

は、特許権成立後の侵害や有効性についての訴訟手続きの一元化のため統一特許裁判所を創設する

協定が成立した。

単一特許規則および統一特許裁判所協定は同時に適用が開始されることになっている。統一特許

裁判所協定の発効には、英独仏を含む13か国以上の批准が必要であるところ、2017年3月時点で

は、オーストリア、フランス、スウェーデン、ベルギー、デンマーク、マルタ、ルクセンブルク、

ポルトガル、フィンランド、ブルガリア、オランダ、イタリアの 12 か国が批准を完了している。 2018年2月13日現在、必須批准国の一つである英国が同協定の批准手続き中のため、単一特許制

度はまだ稼働していない。EPOのウェブサイトでは 2018 年中の適用開始を念頭に参加国が作業中

としている 28

(2) 国際連携の状況

① 主要国との連携状況

1) 日本

特許分野において、JPOとEPOとの間では、日米欧三極協力、日米欧中韓五大特許庁協力を通じ

て交流が行われている 29

。商標分野では日米欧中韓音商標五庁(TM5)会合の場で意見交換がなさ

れている。

2013年4月から日欧経済連携協定(EPA)交渉がスタートし、2017年7月に大枠合意、同年12

月に交渉の妥結が発表された。日欧EPAは世界の国内総生産の3割、貿易総額の4割を占めるメガ

26 EPO, Member states of the European Patent Organization,

https://www.epo.org/about-us/foundation/member-states.html.

27

本項は特許庁『特許行政年次報告書2017年版』258-259頁を参照。

28 EPO, “When will the Unitary Patent System start?,”

https://www.epo.org/law-practice/unitary/unitary-patent/start.html.

29

(18)

15

FTAであり、2018年夏の署名、2019年春の発効が目指されている。日欧EPA交渉では知的財産権

分野についての議論も行われており、同EPAを通じて日本と欧州のさらなる関係強化が期待されて

いる。

2) CPC

2010 年 、EPOはUSPTOと と も に 、 共 通 に 用 い る 特 許 分 類 で あ るCPC(Cooperative Patent

Classification)を作成することを発表、2013年1月にCPCが発効した。それを受けて、EPOは2013

年1月からCPCの付与を開始、USPTOは2015年からCPCのみでの付与を開始した 30

CPCの適用範囲はその後拡大し、2013年6月にEPOとSIPOが、SIPOがCPCを使用することに

合意する覚書の署名がなされた。2013年9月にロシア特許庁と、2015年7月にメキシコ産業財産

庁とCPC導入の合意がなされた。

② 機械翻訳

2010年11月、EPOはGoogleと特許文献の多言語の機械翻訳に関する連携協定に合意し、2012年

2月から、機械翻訳サービス(Patent Translate)の提供を開始した。機械翻訳サービスでは、EPC締

約国の28公用語に加えて、日本語、中国語、韓国語、ロシア語の機械翻訳にも対応している 31

③ その他

EPOは欧州周辺国を中心に、欧州特許の認証やPPH試行プログラムを進めている 32

。2015年3月

からは、EPOで付与された欧州特許のモロッコにおける認証(権利化)が可能となり、モロッコに

おいて認証された欧州特許は、モロッコの法律に基づき、モロッコの国内特許と同様の法的効果を

有するようになる。2015年11月にはモルドバにおいても認証が可能となった。チュニジアとも2014

年7月に欧州特許の認証について合意がなされ、2017年12月から認証が可能となっている33。さ らには2017年1月にカンボジアとも欧州特許の認証が認める合意が締結されている。

PPHについては、ロシア特許庁と2017年1月にPPH試行プログラム開始について合意がなされ

た。EPO が PPH 合意を締結した相手は、五大特許庁、カナダ特許庁、メキシコ産業財産権庁、シ

ンガポール知的財産庁、イスラエル特許庁、オーストラリア知的財産庁、コロンビア商工監督局で

ロシア特許庁を含めると合計12となっている。

(3) 調査項目に基づく調査結果

① 「調査対象の知財庁・機関による発信情報を掲載したソースの調査」

EPOのウェブサイトにおいて、情報発信は以下の方法によって実施されている。国際的な取組に

特化したウェブページは設けられていない。ウェブサイトは英語、フランス語、ドイツ語によって

構成されているが、本調査では英語版のみを調査対象とした。プレスリリース(Press Release)と

ニュース(News)を区別する基準は不明であり、一部同じ記事が掲載されている場合もある。また、 EPO加盟国との取組は本調査の対象から除外している。

30 特許庁『特許行政年次報告書2017年版』263-264頁。

31

特許庁『特許行政年次報告書2017年版』264頁。

32 本項は特許庁『特許行政年次報告書2017年版』260-261頁を参照。

33 EPO, “ European patents in Tunisia: Validation agreement between EPO and Tunisia to enter into force on 1

(19)

16

図表 18 英語ウェブサイトにおけるソース

① プレスリリース(Press Release) 2013年から2017年10月10日まで国際的な取組に関する記事数は24

件。2016年は国際的な取組に関する記事数は0件であった。

② ブログ(President’s blog) EPO長官によるブログ。2013年から 2017年XX月XX日まで国際的な取組

に関する記事数は30件(EPO加盟国内に関する記事は除外)。カテゴリー

別に閲覧可能で、国際協力「International Cooperation」項目が設けられて

い る 。 た だ し 、 国 際 協 力 項 目 の 中 に は 欧 州 内 で の 協 力 ( た と え ば

PATLIB34)が一部含まれている。

③ ニュース(News) 2013年から2017年10月10日まで、国際的な取組に関する記事数は58

件。

④ 年報(Annual Reports) 2018年2月2日現在、2004年から2016年までの年報がEPOウェブサイ トに収められている。国際的な 取組に関する独立 した章は設け られておら

ず、その 年の ハイライト(Highlight)の 中に該 当する 活動 が紹介 されて いる

ことがある。

② 「国際的な取組に関する情報(文章等)の調査」

1) 年報

2018年2月2日現在、2004年から2016年までの年報が EPOウェブサイトに収められている。

国際的な取組に関する独立した章は設けられておらず、その年のハイライト(Highlight)等の中に

該当する活動が紹介されていることがある。

2016年年次報告書は、ハイライトの中に「International co-operation」の項目が設けられており、

グローバル・ドシエの改善(五庁、カナダ、WIPO)、CPCをロシア特許庁が使用開始、PPH試行プ

ログラムの取組状況、バリデーション合意の拡大等が紹介されている。2015年版では、ハイライト

の中の「An influential global partner」で、モロッコとモルドバとのバリデーション合意、グローバ

ル・ドシエ、CPCといったハーモナイゼーションに関わる取組、SIPOとの協力開始30周年が国際

的な取組として挙げられている。

2014年版では、ハイライトの中の「Asian data」で日中韓をはじめとしてアジア諸国からの特許

出願が伸びていること、EPO の機械翻訳サービスが日本語、中国語、韓国語に対応していること、

アジア諸国の知財庁と協力を進めていることが紹介され、「Single point of access」でグローバル・ド

シエや共通引用文献(CCD)が挙げられている。

2013年版では、「Driving harmonization」の項目で、CPCや機械翻訳サービス、CCD、IP5等の協

力が紹介されている。2012年版では、ハイライトの中でCPC、機械翻訳サービスが、「No more barriers」

で中国、日本、韓国、ブラジル、ロシア等の知財庁と特許情報共有を進めることに合意したことが

触れられている。

また、年報は、国名や知財庁名を章や節等の見出しにする構成となっていない。

2) プレスリリース

2013年から2017年10月10日までで国際的な取組に関連する記事は24件であった。

図表 19 国際的な取組に関する記事件数

英語

2013年 9

2014年 7

2015年 5

2016年 0

2017年(~10/10) 3

5年間合計 24

出所:EPOウェブサイトより作成

(20)

17

図表 20 国際的な取組に関する記事件数

出所:EPOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州: モルドバ

 北米:米国、カナダ  中南米:メキシコ  オセアニア:豪州  中東:イスラエル

 アジア:日本、中国(SIPO)、インド、シンガポール、韓国  アフリカ:チュニジア、モロッコ

 国際機関・その他:国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、ASEAN、EAPO(Eurasian Patent Office)、IEC

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、五庁である。

図表 21記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 1010

最小文字数 167

中央値 420

出所:EPOウェブサイトより作成

記事の例を挙げると、2017年6月1日の記事 35

では、同日、マルタにて五庁会合が開催されたこ

とが紹介されている。五庁協力の10周年が祝われ、協力の成果として、グローバル・ドシエ、PPH、

特許協力条約(PCT)等が挙げられている。そのほか、①五庁間の実務・手続き面での調和を進める

努力を継続する、②質の管理の最適化、③五庁間でのワークシェアリングの最大化、④特許情報サ

ービスの向上について今後さらに協力を深化させることに合意するとともに、PCTのもと協働調査

審査(Collaborative Search and Examination)の第3回試行プロジェクトを開始することに合意した

ことが触れられている。

二国間の記事では、チュニジアやモロッコ、モルドバとのバリデーション合意に関する記事 36

や、

35 EPO, “World’s five largest intellectual property offices celebrate ten years of co-operation,” June 1, 2017,

http://www.epo.org/news-issues/press/releases/archive/2017/20170601.html.

36 たとえば、EPO, “ European patents in Tunisia: Validation agreement between EPO and Tunisia to enter into force on 1 December,” October 4, 2017, http://www.epo.org/news-issues/press/releases/archive/2017/20171004.html.

9

7

5

0

3

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

(21)

18

豪州、イスラエル、カナダ、メキシコ、シンガポールとのPPH合意 37

、日本やロシアとの機械翻訳

サービス提供に関する記事38などがある。

3) ブログ

2013年から2017年10月10日までで国際的な取組に関連する記事は30件であった。

図表 22国際的な取組に関する記事件数

英語

2013年 6

2014年 8

2015年 5

2016年 6

2017年(~10/10) 5 5年間合計 30

出所:EPOウェブサイトより作成

図表 23国際的な取組に関する記事件数

出所:EPOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州:ロシア、モルドバ  北米:米国、

 中南米:コロンビア、キューバ、メキシコ  オセアニア:豪州

 中東:

 アジア:中国(SIPO)、韓国、インド  アフリカ:モロッコ

 国際機関・その他:WIPO、ユーラシア特許庁(EAPO: Eurasian Patent Office)、ASEAN

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、WIPO、五庁、日米欧三極協力である。

37

たとえば、EPO,” EPO and IP Australia sign Memorandum of Understanding on bilateral co-operation,” October 7, 2015, http://www.epo.org/news-issues/press/releases/archive/2015/20151007.html.

38 たとえば、EPO, “ Japanese-English machine translation for patents goes live,” June 5, 2013, http://www.epo.org/news-issues/press/releases/archive/2013/20130605.html.

6

8

5

6

5

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

(22)

19

後述するとおり、SIPOとの協力やバリデーション合意に関する記事が相対的に多く、たとえば 2016年10月5日の記事では、SIPOとの協力の重要性について、毎年会合が開かれていること、欧

州企業にとって中国が重要市場であること、共通特許分類(CPC)をはじめとしたハーモナイゼー

ションに取り組んでいること、中国からEPOへの出願数が多いことなどが書かれている39。 バリデーションに関する記事では、たとえば、2016年5月20日の記事では、バリデーション合

意の意義について、欧州の特許がモロッコで有効になり同国の特許法で保護されると同時に、モロ

ッコにとってもモロッコ産業財産権庁(OMPIC)が特許審査を迅速に行えるといった利益を得られ

るとして、ウィンウィンな取組であると紹介している 40

図表 24記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 961

最小文字数 353

中央値 546

出所:EPOウェブサイトより作成

4) ニュース

2013年から2017年10月10日までで国際的な取組に関連する記事は58件であった。

図表 25国際的な取組に関する記事件数

英語

2013年 13 2014年 11 2015年 12

2016年 9

2017年(~10/10) 13 5年間合計 58

出所:EPOウェブサイトより作成

39 EPO, “ The Importance of EPO-SIPO Cooperation,” October 5, 2016,

https://blog.epo.org/international-co-operation/importance-epo-sipo-cooperation/.

40 EPO, “ The Benefits of Validation,” May 20, 2016,

(23)

20

図表 26国際的な取組に関する記事件数

出所:EPOウェブサイトより作成

バイの国際的な取組に関する記事に登場する国および機関は以下のとおりである。

 欧州:ロシア、モルドバ  北米:米国、カナダ

 中南米:ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、  オセアニア:豪州

 中東:イスラエル、

 アジア:中国(SIPO)、日本、韓国、フィリピン、マレーシア、カンボジア、シンガポール、 インド

 アフリカ:チュニジア、アンゴラ、モロッコ

 国際機関・その他:WIPO、OAPI、EAPO(Eurasian Patent Office)、ASEAN、IEC

マルチの国際的な取組に関する記事に登場する機関は、WIPO、五庁、日米欧三極協力である。

記事としては、中国との二国間関係 41

、モロッコやモルドバ、チュニジア等とのバリデーション

合意 42

、米国とのCPCに関するもの 43

が見られる。

図表 27 記事の単語数に関する情報

英語

最大文字数 775

最小文字数 117

中央値 331

出所:EPOウェブサイトより作成

③ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの比較調査」

EPOの記事では、近隣諸国(モロッコ、チュニジア、モルドバ、イスラエル等)に関する記事や、

中国(SIPO)およびUSPTOとの交流に関する記事が多い。

41 たとえば、EPO, “ EPO and SIPO further strengthen their co-operation,” June 1, 2016, https://www.epo.org/news-issues/news/2017/20170601.html.

42

たとえば、EPO, “ EPO President visited Morocco,” May 18, 2016,

https://www.epo.org/news-issues/news/2016/20160518.html.

43 たとえば、EPO, “ EPO and USPTO renew their commitment to joint classification scheme,” October 6, 2015, https://www.epo.org/news-issues/news/2015/20151006.html.

13

11

12

9

13

0 2 4 6 8 10 12 14

(24)

21

チュニジア、モロッコ、モルドバとはそれぞれバリデーション合意が締結されたこと、そして

USPTOとはCPCに取り組んでいることが記事数増加につながっていると考えられる。

特筆すべきはSIPOとの協力に関連する記事数の多さである。プレスリリースとニュースの合計

で、SIPOとの協力に何らかの言及がある記事は9件で最大である。EPOとSIPOとは年次会合を行

っているが、年次会合についていずれかのソースで記事が公表されていること、1985年にSIPOと

の協力が開始されて2015年が30周年の節目に当たったことなどが記事数を多くした要因と考えら

れる。

図表 28 二国間(バイ)に関する情報における海外知財庁・機関等名が登場する記事件数(プレス リリース)

2017年 (~10/10)

2016年 2015年 2014年 2013年 5年間合計

米国(USPTO) 0 0 2 0 1 3

欧州(EUIPO、OHIM) 0 0 0 0 0 0

ドイツ(DPMA) 0 0 0 0 0 0

カナダ(CIPO) 0 0 0 1 0 1

オーストラリア(IP Australia) 0 0 1 0 0 1

韓国(KIPO) 0 0 0 1 0 1

台湾(TIPO) 0 0 0 0 0 0

ロシア(ROSPATENT) 0 0 0 0 0 0

シンガポール(IPOS) 0 0 0 1 0 1

タイ(DIP) 0 0 0 0 0 0

インドネシア(DGIP) 0 0 0 0 0 0

マレーシア(MyIPO) 0 0 0 0 0 0

インド(CGPDTM) 0 0 0 0 1 1

中国(SIPO) 0 0 1 0 1 2

ブラジル(INPI) 1 1 0 0 0 2

GCC 0 0 0 0 0 0

アフリカ(OAPI) 1 1 0 0 0 2

アフリカ(ARIPO) 0 0 0 0 0 0

JPO(日本) 0 0 1 0 1 2

WIPO 0 0 1 1 0 2

その他合計 2 0 2 4 4 12

(25)

22

図表 29 二国間(バイ)に関する情報における海外知財庁・機関等名が登場する記事件数(ニュー ス)

2017年 (~10/10)

2016年 2015年 2014年 2013年 5年間合計

米国(USPTO) 0 0 2 0 1 3

欧州(EUIPO、OHIM) 0 0 0 0 0 0

ドイツ(DPMA) 0 0 0 0 0 0

カナダ(CIPO) 0 0 0 0 0 0

オーストラリア(IP Australia) 0 1 1 0 0 2

韓国(KIPO) 0 0 1 1 0 2

台湾(TIPO) 0 0 0 0 0 0

ロシア(ROSPATENT) 1 2 0 0 1 4

シンガポール(IPOS) 0 0 0 1 0 1

タイ(DIP) 0 0 0 0 0 0

インドネシア(DGIP) 0 0 0 0 0 0

マレーシア(MyIPO) 1 1 0 0 0 2

インド(CGPDTM) 0 0 0 1 0 1

中国(SIPO) 1 1 1 2 2 7

ブラジル(INPI) 1 1 0 0 0 2

GCC 0 0 0 0 0 0

アフリカ(OAPI) 1 1 0 0 0 2

アフリカ(ARIPO) 0 0 0 0 0 0

JPO(日本) 0 0 1 0 1 2

WIPO 0 0 1 1 0 2

その他合計 7 6 4 5 4 26

出所:EPOウェブサイトにより作成

図表 30 二国間(バイ)に関する情報における海外知財庁・機関等名が登場する記事件数(プレス リリースとニュースの合計)

出所:EPOウェブサイトにより作成

④ 「調査対象の知財庁・機関からみた海外知財庁・機関等の位置づけの推移調査」

図表 29が示すとおり、プレスリリースおよびニュースにおいて5年間毎年取り上げられている

のが中国(SIPO)である。その他を除き記事件数の合計が最も多く、かつ取り上げられ方も継続的

である。前述のとおりであるが、要因としては年次会合や2015年がEPOとSIPOの協力開始から 30周年であったことが考えられる。その他では、モロッコやチュニジア、モルドバ、カンボジアと

0 5 10 15 20 25 30 35 40

(26)

23

いったバリデーション合意に関連する記事が取り上げられる傾向にあった。

⑤ 「国際的な取組に関する情報(写真等)からの上記③,④の位置づけの調査」

2013年から2017年10月10日現在で、国際的な取組に関する記事のうち写真が掲載されていた

のは 35 件(プレスリリースとニュースの合計)であった。なお、ほとんどのブログ記事で写真が

掲載されているものの、EPO長官が単身で写るものばかりで記事の内容と関連性がないため、本項

では調査の対象外としている。

バイの取組に関する写真掲載記事では、以下の国・地域が挙げられていた。

 欧州:ロシア、モルドバ  北米:カナダ

 中南米:メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、コロンビア  オセアニア:なし

 中東:イスラエル

 アジア:中国、シンガポール、カンボジア  アフリカ:チュニジア、アンゴラ、モロッコ

 国際機関・その他:WIPO、OAPI、EAPO、ASEAN

マルチの取組に関する写真掲載記事に登場する機関や取組は、WIPOや五庁、日米欧三極である。

⑥ 「国際的な取組(マルチ)に関する情報に関する調査」

図表 31は、プレスリリースにおけるマルチの取組に関する記事件数を占めしている。プレスリ

リースでは五庁を取り上げた記事数が多い。ニュースでも五庁に関する記事が最大であるが、WIPO

と三極に言及する記事がある。

図表 31 プレスリリースにおける国際的な取組(マルチ)に関する記事件数

WIPO IP5/TM5 三極

2013年 0 2 0

2014年 0 1 0

2015年 0 0 0

2016年 - - -

2017年(~10/10) 0 1 0

5年間合計 0 4 0

出所:EPOウェブサイトより作成

図表 32ニュースにおける国際的な取組(マルチ)に関する記事件数

WIPO IP5/TM5 三極

2013年 0 4 0

2014年 0 2 0

2015年 0 1 0

2016年 1 1 0

2017年(~10/10) 1 1 1

5年間合計 2 9 1

(27)

24

図表 33ニュースにおける国際的な取組(マルチ)に関する記事件数(プレスリリースとニュースの

合計)

出所:EPOウェブサイトより作成

⑦ 「国際的な取組(バイ)に関する情報に関する比較調査」

1) 国際的な取組(バイ)に関する情報の内容

プレスリリースおよびニュースの記事の内容は、会合やMOU/MOC、PPH、CPCに関連するもの

が多い。各連携の相手国は比較的ばらつきが見られるが、会合ではチュニジア、モルドバ、モロッ

コ等とのバリデーション合意、SIPO との協力に関する記事が多く、CPC では、米国との取組に加

えて米国以外との海外知財庁(KIPOやROSPATENT等)ともCPCの協力を進めているため、記事

件数の伸びにつながっている。

図表 34 プレスリリースにおける年別の国際連携の形態(記事数)

会合 MOU/MOC PPH 協働調査

(CSP)

協働特許 分類 (CPC)

グローバ ル・ドシエ

特許協力 条約 (PCT)

その他

2013年 2 2 0 0 3 0 0 2

2014年 1 2 2 0 0 0 0 1

2015年 3 0 1 0 1 0 0 0

2016年 0 0 0 0 0 0 0 0

2017年 (~10/10)

1 1 0 0 0 0 0 0

5年間合計 7 5 3 0 4 0 0 3

注)一記事に複数の項目が含まれていることがあるため、合計数は記事数と一致しない。 出所:EPOウェブサイトより作成

0 2 4 6 8 10 12 14

WIPO IP5/TM5 三極

(28)

25

図表 35 ニュースにおける年別の国際連携の形態(記事数)

会合 MOU/MO

C

PPH 協働調査

(CSP)

協働特許 分類 (CPC)

グローバ ル・ドシエ

特許協力 条約 (PCT)

その他

2013年 5 2 0 0 4 0 0 1

2014年 1 3 2 0 2 2 0 0

2015年 4 3 2 0 2 2 0 2

2016年 4 2 3 0 3 0 0 0

2017年 (~10/10)

4 0 6 0 2 0 0 2

5年間合計 18 10 13 0 13 4 0 5

注)一記事に複数の項目が含まれていることがあるため、合計数は記事数と一致しない。 出所:EPOウェブサイトより作成

図表 36 プレスリリースとニュースにおける年別の国際連携の形態(記事数)

注)一記事に複数の項目が含まれていることがあるため、合計数は記事数と一致しない 出所:EPOウェブサイトより作成

2) JPOとの取組について

EPOとJPOのバイの取組のうち、実際に行われた会合について紹介した記事は、調査対象期間中1

件であった 44

。その一件は、2014年3月3日の記事で、記事の内容の中心は、(一社)日本知的財

産境界(JIPA: Japan Intellectual Property Association)の年次総会でEPO長官による講演およびJIPAと

の意見交換に関するものである。記事中、JPOとの会合が行われたこと、および知財関連法の改革

にJPOが取り組んでいることが触れられている 45

JPO側に掲載されている、2017年5月16日のEU技術審判部(Boards of Appeal)との会合 46

、2017

年のWIPO総会でEPOと会合をもった 47

等に相当する記事はEPOウェブサイトには掲載されていな

44 IP5

での取組や、機械翻訳サービスを紹介する記事(実際に両庁の会合が行われたわけではない記事)等はカウント していない。

45 EPO, “ Forging closer ties with our Asian partners,” March 3, 2014,

https://blog.epo.org/international-co-operation/forging-closer-ties-asian-partners/.

46 JPO, “ Exchanged Opinions with the Boards of Appeal of the European Patent Office,” May 26, 2017,

http://www.jpo.go.jp/torikumi_e/t_torikumi_e/170516_european_boa_e.htm.

47 JPO, “ JPO had Bilateral Meetings alongside WIPO Assemblies” October 11, 2017,

http://www.jpo.go.jp/shoukai_e/soshiki_e/photo_gallery2017101101.htm. 0

5 10 15 20 25 30

会合 MOC/MOU PPH 協働特許分類(CPC) グローバル・ドシエ その他

(29)

26 かった。

図表 37 JPOEPO記事の対応関係(年報を除く)

JPO EPO

2014/3/3 該当なし Forging closer ties with our Asian partners

2015/2/18 EPO Symposium on Harmonisation was Held in Munich, Germany

該当なし

2015/3/6 Trilateral Heads of Offices Meeting was Held 該当なし

2015/3/13 Results of the 33rd Meeting of the Trilateral Heads of Offices held in Yokohama.

該当なし

2015/5/27 IP5 Heads of Office meeting was held in Suzhou, P.R. China.

該当なし

2017/5/26 Exchanged Opinions with the Boards of Appeal of the European Patent Office,

該当なし

2017/10/11 JPO had Bilateral Meetings alongside WIPO Assemblies

該当なし

出所:両知財庁ウェブサイトより作成

⑧ 「対内的な発信情報と対外的な発信情報の比較調査」

図表   1 英語ウェブサイトにおけるソース
図表   18 英語ウェブサイトにおけるソース
図表   37  JPO と EPO 記事の対応関係(年報を除く)
図表   47 JPO と EUIPO 記事の対応関係(年報を除く)
+7

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